昭島動物病院

歯の治療

大切なご家族の「歯」大丈夫ですか?

いきなりですが、皆様の大切な家族のワンちゃんやネコちゃんのお口をちゃんと覗いた事はありますか?口臭はありますか?歯石は付いていませんか?
ワンちゃんネコちゃんだから多少は臭うし、歯石も付いているのが当たり前と思っていませんか?
実はこれらは異常です。お口のケアが出来れば口臭はありませんし、歯石も付きません。また人間と同様に歯周病や、稀ですが虫歯にもなります。
特に歯周病は多く、2歳以上のワンちゃんの60%が歯周病に罹っていると言われています。
近年、ワンちゃんネコちゃんの寿命は延び、快適に生活できている子達が増えていますが、それと同時に今まであまり気にされていなかった病気が注目されてきています。歯科はその代表と言えるんじゃないでしょうか。
人とは違うワンちゃんネコちゃんだからこその特徴もあります。
例えば、虫歯にはなりにくいけれど歯石は付きやすかったり、小型犬では乳歯遺残が多かったり、悪化した歯周病から下顎骨折を起こす事もあります。
これらはほとんどが予防・治療が可能です。私たちは皆様と大切なご家族のより長い快適な時間をサポート出来ればと思っています。
ぜひお口を覗いてあげてください。何が見えますか?

昭島動物病院の歯科治療はここが違う!

特徴その1

歯科治療

人間の歯科医院で使用する機材を使用し、歯石除去を含む口腔内処置は全て獣医師が行います。

特徴その2

歯石

定期的な歯科指導、キャンペーンを設け、アフターフォローもしっかり行います。


歯科治療の例

※ 治療内容や状態により、歯科専門病院にご紹介することも可能です。

歯垢・歯石除去

歯垢・歯石除去は、歯周病の治療や重症化の予防処置として行います。
歯周病とは歯を支える組織である歯根膜や歯槽骨が破壊されてしまう病気です。主な原因は口腔内細菌で、歯垢(プラーク)中に多く存在し、その数は何とプラーク1㎎中に数億個も含まれています。細菌数を言われても凄さが伝わらないかもしれませんが、人の糞便中の細菌数と同等かそれ以上の数です。この細菌が毒素を出し、その毒素で歯肉の炎症が起こり、最終的には歯周組織の破壊へとつながっていきます。
またプラークは唾液中の炭酸カルシウムやリン酸カルシウムを取り込んで歯石になり、さらにプラークの付着を助長し歯周病を悪化させます。
治療・予防するためにはプラークや歯石の除去を行います。プラークであれば日々のブラッシングでも除去が可能ですが、歯石は難しいため超音波スケーラーで除去します。大切な事は、歯の表面ではなく歯周ポケット内のプラーク・歯石を除去する事です。もちろん表面の歯石も取りますが、歯周病の原因になるのはポケット内のプラーク・歯石です。
ワンちゃんネコちゃんではこの作業を行うのは非常に難しいため一般的に全身麻酔下で行います。


保存修復

ワンちゃんネコちゃんでしばしば歯が折れている、即ち破折している子達がいます。
原因の多くはヒヅメなどの硬いおやつをかんだり、遊んでいたり事故など外から強い力がかかった時です。
神経が露出していない状態であれば痛みも少なく、日常生活ではほとんど変化は見られませんが、知覚過敏にはなりますし、歯の表面を覆っている硬いエナメル質が無いので内側の象牙質が少しずつ摩耗する可能性があります。最悪の場合は露髄して神経がむき出しの状態になり激痛を伴います。
気付いた時点で表面をコーティングしてあげる事で、それ以上の摩耗による悪化や知覚過敏を防げます。


抜歯

抜歯はワンちゃんネコちゃんで行う歯科治療で最も多い処置の一つです。 適応疾患は重度な歯周病、破折、乳歯遺残、歯の位置異常などで、基準となるのは抜歯する事で、その子の生活の質が上がるかどうかです。
人では歯が無いと物を食べれなくなったり、滑舌が悪くなったり、消化器にも異常を起こす事があり、健康の維持に歯がとても重要です。
一方ワンちゃんネコちゃんでは飲める大きさの物は丸のみする子が多く、滑舌も関係ないですし日常生活に影響はそれほどありません。
よって人間では抜歯しない様な症例でも、積極的に抜歯を勧める事がよくあります。一番の優先事は、長い期間で見た時、その子がどうしたら快適に過ごせるかです。
あとは皆様との話し合いで決めましょう!



診療の流れ

1.診療

歯石除去

はじめに診察を受けて下さい。お口の検査を行い、同時に既往歴などの問診を行います。
(歯垢・歯石の沈着、口臭の有無、歯肉の状態や喉の奥の状態などを調べます)

歯の保存修復

2.術前検査


歯科手術を行うためには全身麻酔が不可欠です、無麻酔で治療を行うことは動物も術者も負担がかかるため望ましくありません。
全身麻酔をかけることが可能かどうか検査を行います。
血液検査、X線検査、心電図検査等で基礎疾患があるか否かが分かります。
(簡単な健康診断と同じです。年齢によって術前検査の内容が異なります。)

歯髄処置

3.歯科手術

歯科手術

歯科治療はほとんどの場合日帰り治療ですが、状態によっては入院になる場合もあります。
全身麻酔は一般的に吸入麻酔という方法で行い、動物種によって鎮痛薬や麻酔薬が異なる場合もあります。
退院時、お薬の有無やご飯の与え方、注意事項などをご説明します。

歯の検査

4.再診

歯の再診

術後一週間を目安に、お口の状態を再チェックします。 食事はしっかり摂れているか、縫合した傷が開いていないか、痛みは無いかを確認し、問題なければ終了です。


よくある質問

スケーリング時に全身麻酔は必要か?
やるのであれば全身麻酔下でのスケーリングをお勧めします。
そもそもスケーリングを行う目的は、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)に存在する歯垢・歯石を除去し、歯周病の進行を防ぎ、治療する事にあります。無麻酔でのハンドスケーリングでは、目に見える歯垢・歯石を除去する事は可能ですが、歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去する事は危険で十分に行えません。人の場合は麻酔をかけなくても動かず、口を大きく開け、長時間の処置でも我慢してくれます。ワンちゃんネコちゃんに同じ事を求めるには無理があります。十分なケアをするのであれば麻酔下でないと難しいでしょう。もちろん全身麻酔は絶対に安全という訳ではなく、多少なりのリスクを伴いますが、麻酔前の検査でそのリスクを最小限に減らして行います。中には全身麻酔が難しい場合がありますが、その時はその子にとって何が一番良く、何が一番合った治療になるかを一緒に検討しましょう。
歯科処置では入院が必要か?
その子の状況によって異なりますが、日帰り入院が基本です。しかしその時の状況にもよりますが、前日から預かったり、術後に一泊をお勧めする事があります。
例えば、術前にしっかり点滴をしたい場合は前日からの入院をお願いしますし、麻酔時間が長くなってしまったり、麻酔から覚めるのに時間がかかった場合は一泊してもらう事があります。可能な限り、ご希望に沿う形で行えたらと思いますので、お気軽にご相談ください。
イヌや猫は虫歯になるのか?
虫歯(う蝕)は犬では比較的珍しく、猫での報告はありません。
まずどの様にして虫歯になるかと言うと、口腔内細菌が炭水化物を発酵し、その発酵産物が歯を溶かします。それが虫歯です。
虫歯になる条件は大きく四つに分けられます。
  1. 歯の形や唾液の性状
  2. 口腔内細菌の種類
  3. 食べ物の種類
  4. 時間
です。
1、2、3は人間とは異なるため、ワンちゃんは虫歯になりづらいのです。詳しくは、すごく長くなるので割愛します。もし興味がありましたら声をかけて下さい!
ホームケアのやり方がわからない!
出来るのであれば自宅での毎日の歯磨きが理想です。しかし、一番大切な事は、動物を嫌がらせずお互い楽しく行う事だと考えています。
嫌がる事を毎日やるのは、お互いにツラく続きませんし、信頼関係を損ないかねません。まずは好きなおやつを用意して、口元を触るところから始めましょう。そこから少しずつステップアップしていければと思います。
当院では、歯磨きを自宅で行えるようホームケアのセミナーを受けた動物看護師によるデモストレーションも交えた歯磨き指導を行っております。
ホームケアの糸口になるかも知れませんし、もし悩まれていたらぜひご相談ください。